高額療養費制度、自分の上限額を知っておこう

入院費が100万円かかっても、自己負担は10万円以下で済むことがある。高額療養費制度のおかげです。年収によって上限額がぜんぜん違うし、多数回該当で下がるルールもあります。僕も調べるまで、具体的な金額はあいまいにしか知りませんでした。

目次

高額療養費制度の仕組み

高額療養費制度は、1ヶ月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される仕組みです。健康保険に加入していれば誰でも対象になります。

ポイントは「1ヶ月(同一月)」で計算されること。月をまたぐと別カウントになるから、入院のタイミングによっては損することもあります。たとえば、1月25日から2月5日までの入院だと、1月と2月に分かれてしまいます。

あと、保険適用外の費用(差額ベッド代、食事代、先進医療など)は対象外です。ここを勘違いしている人がけっこう多い印象があります。

年収別の自己負担上限

69歳以下の場合、自己負担上限は5段階に分かれています。

年収約1,160万円以上:252,600円+(医療費−842,000円)×1%
年収約770万〜1,160万円:167,400円+(医療費−558,000円)×1%
年収約370万〜770万円:80,100円+(医療費−267,000円)×1%
年収約370万円以下:57,600円
住民税非課税世帯:35,400円

たとえば年収500万円くらいの人が、100万円の医療費(3割負担で30万円)を払った場合、自己負担上限は約87,430円。差額の約21万円が戻ってくる計算になります。

ただし、70歳以上は別の区分があって、外来と入院でも上限が異なります。親の医療費を考えるときはこっちの区分を確認しておきたいです。

なお、高額療養費の自己負担限度額は2026年8月から段階的に引き上げられます。当初2025年8月からの引き上げ案が患者団体の反発で見送られたあと、厚労省が「2026年8月から第1段階・2027年8月から第2段階」の2段階方式でまとめ直しました。第1段階(2026年8月〜)では、たとえば年収約370万〜770万円の区分が現行「80,100円+(医療費−267,000円)×1%」から「85,800円+(医療費−267,000円)×1%」に引き上がります。第2段階(2027年8月〜)では同じ区分が3つ(約370万〜510万、510万〜650万、650万〜770万)に細分化されます。一方で長期療養者への配慮として、多数回該当に該当しない年でも年間53万円に達したらその年の支払いが免除される「年間上限」が2026年8月から導入されます。上記の金額は2026年7月までの現行制度のものなので、実際に申請するタイミングで厚労省や加入している健保組合のサイトから最新情報を確認しておくと安心です。

申請方法と注意点

申請先は、会社員なら健康保険組合や協会けんぽ、自営業なら市区町村の国保窓口です。必要書類は保険証、領収書、振込先口座情報など。

注意したいのは、払い戻しまでに2〜3ヶ月かかること。つまり、窓口ではいったん全額(3割負担分)を払わないといけません。数十万円の立て替えがきつい場合は、次に説明する限度額適用認定証を先に取っておくのがいいです。

申請期限は診療月の翌月1日から2年間。忘れていても2年以内なら遡って請求できるけど、領収書は捨てないようにしてください。

限度額適用認定証

限度額適用認定証を事前に取得して病院に提示すると、窓口での支払いが最初から上限額までに抑えられます。払い戻しを待つ必要がないから、入院の予定がある場合は先に手続きしておくのがおすすめです。

申請は健保組合や市区町村の窓口で、即日〜数日で発行してもらえることが多いです。マイナ保険証を使っている場合は、認定証がなくても限度額が自動適用される医療機関が増えてきています。

ただし、限度額適用認定証があっても、差額ベッド代や食事代は別途かかります。ここは制度でカバーできない部分なので、気になる人は民間の医療保険で備えるという選択肢もあります。

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