
会社員が病気やケガで働けなくなっても、収入がゼロになるわけじゃありません。傷病手当金という制度があって、給料の約3分の2が最長1年6ヶ月支給されます。「退職後でももらえるケースがある」というのは僕も初めて知ったし、詳しく知ってる人は少ない気がします。
傷病手当金とは
傷病手当金は、病気やケガで会社を休んで給料が出ないとき、健康保険から支給される手当です。業務外の理由で連続3日以上休んだ場合に、4日目から受給できます。
支給期間は最長1年6ヶ月。2022年1月からは、途中で復帰した期間を除いて通算1年6ヶ月に変わりました。以前は暦日で1年6ヶ月だったから、再発した場合に期間が足りなくなる問題があったけど、改善されています。
注意点として、国民健康保険の加入者は対象外です。つまりフリーランスや自営業の人は使えません。これはけっこう大きなデメリットで、会社員との社会保障の差を感じる部分でもあります。
受給額の計算方法
1日あたりの支給額は「支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3」で計算されます。
たとえば、標準報酬月額の平均が30万円の場合:
30万円 ÷ 30日 × 2/3 = 約6,667円/日
月に換算すると約20万円。手取りの6〜7割くらいのイメージです。生活費をまかなうには心もとない金額かもしれないけど、収入がゼロになるよりはずっとマシです。
ちなみに、会社から給料の一部が出ている場合は、傷病手当金との差額分だけ支給されます。つまり、給料と手当金の二重取りはできない仕組みになっています。
申請の流れ
ステップ1:連続3日間の待期期間を満たす
土日や有給を含めてもOK。とにかく連続3日休むことが条件。
ステップ2:申請書を入手
加入している健保組合や協会けんぽのサイトからダウンロードできます。
ステップ3:医師の証明をもらう
申請書には「療養担当者(医師)の意見書」欄があるので、主治医に記入してもらいます。ここで診察代がかかることもあります。
ステップ4:会社に事業主証明を依頼
勤務状況や給与の支払い状況を会社に記入してもらいます。
ステップ5:健保に提出
書類がそろったら健保に郵送します。審査を経て、だいたい2〜4週間で振り込まれます。
申請は月単位でまとめて出すのが一般的です。毎月提出が必要なケースもあるので、健保に確認しておくといいです。
退職後も受給できるケース
あまり知られていないけど、以下の条件を満たせば退職後も引き続き傷病手当金を受給できます。
・退職日までに継続して1年以上の被保険者期間がある
・退職日に傷病手当金を受給している(または受給条件を満たしている)
・退職日に出勤していない
3つ目の条件がやっかいで、退職日に引き継ぎなどで出勤してしまうと、退職後の受給資格を失います。ここは見落としやすいポイントなので、退職を考えている場合は事前に確認しておくべきです。
ただし、退職後に受給しながら失業手当(雇用保険の基本手当)を同時にもらうことはできません。どちらかを選ぶ形になるので、金額や期間を比較して判断したほうがいいです。