まず結論から
先に結論を言ってしまうと、「どっちが上か」ではなく「何をしたいか」で選ぶのが正解です。僕自身、両方を毎日使っています。それぞれ得意な領域が違うので、片方だけに絞る必要はありません。
とはいえ、最初に両方使いこなすのは大変なので、自分の目的に合った方をメインにして、必要に応じてもう一方を併用するのが現実的だと思います。
主要項目の比較表
| 比較項目 | TradingView | MT5 |
|---|---|---|
| 料金 | 無料プランあり(有料は月額制) | 完全無料 |
| 動作環境 | Webブラウザ・スマホアプリ | Windows中心(Mac版・スマホ版あり) |
| チャート分析 | 非常に強い | 十分使える |
| インジケーター | 標準+コミュニティ製が膨大 | 標準+MQL5マーケット |
| 自動売買(EA) | 限定的 | 本格対応 |
| バックテスト | ストラテジーテスター(簡易) | ストラテジーテスター(高精度) |
| プログラミング言語 | Pine Script(シンプル) | MQL5(高機能) |
| マルチデバイス同期 | 自動同期 | 手動 |
| コミュニティ | SNS機能統合(非常に活発) | MQL5フォーラム |
| 国内FX業者対応 | 内蔵版6社+口座連携2社 | 5社 |
| 板情報 | 一部対応 | 標準対応 |
TradingViewが向いている人
チャート分析がメインの人
TradingViewのチャートは、UIの美しさと操作性で群を抜いています。直感的にラインが引けるし、描画ツールの種類も豊富。「チャートを見て分析して、発注は業者の画面でやる」というスタイルなら、TradingViewの方が快適です。
PC以外のデバイスでも使いたい人
外出先でスマホからチャートを確認したい、自宅ではPCで分析したい、という使い方をする人にはTradingViewが強いです。Webベースなのでデバイスを問わないし、設定やラインが自動で同期されます。
MT5もスマホアプリはありますが、PC版の設定が同期されないし、スマホ版の機能はPC版よりかなり限定的です。
コミュニティで学びたい人
FXを始めたばかりで、他のトレーダーの分析を参考にしたいならTradingViewのコミュニティ機能は大きなメリットになります。チャート上にトレードアイデアが表示されるので、「この人はここでエントリーしたのか」というのが視覚的にわかります。
ただし、コミュニティの情報は玉石混交なので、鵜呑みにはしないこと。あくまで参考程度に。
プログラミング初心者
Pine ScriptはMQL5と比べてシンプルな言語設計になっていて、学習コストが低いです。カスタムインジケーターを自分で作ってみたいけど、プログラミングは初めてという人にはPine Scriptの方がとっつきやすいと思います。
MT5が向いている人
EA・自動売買を本格的にやりたい人
自動売買をやるなら、現時点ではMT5一択と言っていいです。MQL5で開発できるEAの自由度はPine Scriptのストラテジーとは比較にならないし、VPS(仮想専用サーバー)上で24時間稼働させることもできます。
TradingViewにもアラートをWebhookで飛ばして自動売買に繋げる方法はありますが、外部サービスとの連携が必要で、安定性や柔軟性ではMT5のEAに及びません。
バックテストを重視する人
MT5のストラテジーテスターは、リアルティックデータを使った高精度なバックテストが可能です。マルチ通貨テスト、最適化、フォワードテストにも対応しています。
TradingViewのストラテジーテスターも基本的なバックテストはできますが、ティック精度やマルチ通貨テストの面ではMT5に大きく劣ります。
EAを本格的に開発するなら、MT5のストラテジーテスターでティック精度のテストを大量に回せるのは大きな強みです。この精度のテストはTradingViewでは難しいです。
本格的なカスタムインジケーターを開発したい人
MQL5はC++ベースのオブジェクト指向言語で、Pine Scriptでは実現できない複雑なロジックも実装できます。複数の通貨ペアのデータを参照するインジケーターや、独自の描画処理を持つツールなどは、MQL5の守備範囲です。
両方使うという選択肢
ここまで「どっちが向いているか」を書いてきましたが、実は両方使うのが一番賢いと僕は思っています。
僕の実際の使い分け
僕はTradingViewでチャート確認、MT5で発注とツール開発、という使い分けに落ち着いています。TradingViewの「手軽さ」とMT5の「深さ」は、お互いに補い合う関係です。
どちらかしか選べないなら
とはいえ、「最初は一つに絞りたい」という気持ちもわかります。その場合の判断基準を整理しておきます。
TradingViewから始めるべき人
- FX初心者で、まずはチャートの見方を覚えたい
- 自動売買は今のところ考えていない
- スマホやタブレットでも使いたい
- 無料で始めたい(MT5も無料ですが、TradingViewの方がとっつきやすい)
MT5から始めるべき人
- 最初から自動売買やEAに興味がある
- プログラミング経験があり、MQL5に抵抗がない
- バックテストをしっかりやりたい
- 将来的にツール開発もしてみたい
どちらを選んでも間違いではありません。大事なのは、自分のやりたいことに合ったツールを選ぶこと。そして、慣れてきたらもう一方も試してみてください。きっと「両方あると便利だな」と感じるはずです。