
NISAとiDeCoの比較ツールを作ろうとして、両制度の違いを整理していたら「どっちを先にやるべきか」って、年収や年齢で答えが変わることに気づきました。よく「とりあえずNISA」と言われるけど、人によってはiDeCoを先にやったほうがお得なケースもあります。
2つの制度の違い
NISAもiDeCoも「投資の利益が非課税」という点は同じだけど、仕組みはかなり違います。
NISA(新NISA)
・年間投資枠:つみたて120万円+成長投資240万円(合計360万円)
・非課税保有限度額:1,800万円
・引き出し:いつでも自由
・掛金の所得控除:なし
・対象年齢:18歳以上
iDeCo
・年間拠出限度額:24万〜81.6万円(職業による。2024年12月以降の区分)
・引き出し:原則60歳まで不可
・掛金の所得控除:あり(全額)
・対象年齢:20〜65歳(2026年12月1日施行の法改正で加入可能年齢が70歳未満まで拡大。同時に拠出限度額も会社員・企業年金なし月2.3万円→月6.2万円、自営業月6.8万円→月7.5万円に引き上げ。新しい上限での拠出反映は2027年1月分から)
・口座管理手数料:月171円〜
最大の違いは「引き出しやすさ」と「所得控除」です。NISAはいつでも引き出せるけど所得控除はありません。iDeCoは所得控除があるけど60歳まで引き出せません。
引き出しやすさで比較
NISAの最大の強みは流動性です。急にお金が必要になったら、いつでも売却して引き出せます。結婚、転職、家の購入など、人生は予定通りにいかないことが多いから、この柔軟性はかなり大きいです。
一方、iDeCoは60歳まで完全にロックされます。これをデメリットと見るか、「強制的に老後資金を積み立てられる」メリットと見るかは人によります。意志が弱くてすぐ使っちゃうタイプの人には、逆にiDeCoの強制力が合っていることもあります。
30代で住宅購入を考えている人がiDeCoに全振りすると、頭金が足りなくなるリスクがあります。ライフイベントの予定がある人は、NISAを優先して流動性を確保しておくほうが安全です。
年収・年齢別のおすすめ
年収400万円以下・20代
→ NISA優先。所得控除の節税メリットが小さいし、若いうちはライフイベントが多いです。まずはNISAで積み立てて、流動性を確保しておくのがいいです。
年収500〜700万円・30代
→ NISA → 余裕があればiDeCoも。所得控除の恩恵がそれなりにあります。ただし住宅購入や子どもの教育費が控えている場合は、NISAを優先して手元資金を確保しましょう。
年収700万円以上・40代〜
→ iDeCoも積極的に活用。所得税率が高い分、節税効果が大きくなります。老後まで使う予定のないお金はiDeCoに入れたほうが税制面で有利です。
フリーランス・自営業
→ iDeCoの優先度が高いです。掛金上限が月68,000円(年81.6万円)と大きく、所得控除のインパクトも大きいです。2026年12月施行の改正では月75,000円への引き上げも決まっており(新上限での拠出反映は2027年1月分から)、自営業にとってはさらに活用価値が上がります。ただし、収入が不安定な場合は生活防衛資金を先に確保してください。
両方やるならこの順番
資金に余裕がある人は、NISAとiDeCoの両方を活用するのがベストです。順番としては:
ステップ1:生活防衛資金を確保(生活費6ヶ月分)
ステップ2:つみたてNISAで月3〜5万円を積立開始
ステップ3:余裕があればiDeCoも開始(最低月5,000円から)
ステップ4:NISAの成長投資枠も活用
iDeCoは一度始めると止めるのが面倒(掛金をゼロにしても口座管理手数料は取られ続ける)なので、安定した収入がある状態で始めるのが無難です。
どちらか一方しかできない場合は、迷ったらNISAです。引き出しの自由度があるほうが、人生の選択肢を狭めません。iDeCoは「老後資金は絶対に手をつけない」と決められる人に向いています。