
年収500万円の会社員がiDeCoに満額入ると、年間で約5.5万円の節税。これが30年続くと、それだけで165万円になります。年収が高い人ほど節税効果は大きくなるけど、年収300万円台でもちゃんとメリットはあります。ただし、デメリットもはっきりしているから、そこも含めてまとめてみました。
iDeCoの3つの税制メリット
1. 掛金が全額所得控除
iDeCoに拠出した掛金は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれます。つまり、課税される所得が減るから、所得税と住民税が安くなります。これが最大のメリットです。
2. 運用益が非課税
通常、投資信託や定期預金の運用益には約20%の税金がかかるけど、iDeCo口座内の運用益はすべて非課税です。NISAと同じ仕組みで、長期運用するほど複利効果が大きくなります。
3. 受取時にも控除がある
60歳以降に受け取るとき、一括なら「退職所得控除」、年金形式なら「公的年金等控除」が使えます。ただし、他の退職金やiDeCoの加入期間によっては、控除を使い切れないケースもあります。ここは受取時の設計が必要です。
年収別の節税額
会社員で企業年金なし(上限月23,000円=年27.6万円)の場合、年間の節税額の目安はこうなります。なお、改正確定年金法などの施行により、2026年12月1日からiDeCoの拠出限度額が大幅に引き上げられます(会社員・企業年金なし:月2.3万円→月6.2万円、自営業:月6.8万円→月7.5万円)。ただし新しい上限での掛金拠出が始まるのは2027年1月分からで、加入可能年齢も現行「65歳未満」から「70歳未満」に拡大されるため、これから始める人にとっては節税メリットを受けられる期間も長くなります。
年収300万円(所得税率5%+住民税10%)
→ 年間約4.1万円の節税
年収500万円(所得税率10%+住民税10%)
→ 年間約5.5万円の節税
年収700万円(所得税率20%+住民税10%)
→ 年間約8.3万円の節税
年収1,000万円(所得税率23%+住民税10%)
→ 年間約9.1万円の節税
年収700万円の人なら、30年間で約249万円の節税効果。これは運用益とは別に、拠出するだけで得られるリターンだから、かなり大きいです。
ただし、これは概算値です。実際は社会保険料控除や配偶者控除などで課税所得が変わるから、正確な金額は個別に計算する必要があります。ここで使っている税率は「年収」ではなく「課税所得」ベースで決まるので、年収1,000万円でも控除額によっては所得税率33%の区分になる人もいます。目安として見てください。
デメリットも知っておく
60歳まで引き出せない
これがiDeCo最大のデメリットです。急にお金が必要になっても、原則として60歳まで引き出せません。生活防衛資金や当面の支出を確保した上で、余裕資金で始めるのが鉄則です。
口座管理手数料がかかる
加入時に2,829円、毎月の管理手数料が171円〜600円程度かかります。金融機関によって異なるから、手数料の安いところを選ぶのがポイントです。年間で数千円の差になります。
受取時に税金がかかる場合がある
退職所得控除や公的年金等控除で軽減されるけど、退職金が多い人や加入期間が短い人は、受取時に課税されることがあります。「入口で節税、出口で課税」にならないよう、受取方法の計画も必要です。
転職時の手続きが面倒
転職するたびに、企業型DC→iDeCo、iDeCo→企業型DCといった移管手続きが必要になることがあります。手続きを放置すると「自動移換」されて、運用もされず手数料だけ取られる状態になるから注意です。
始め方の手順
1. 金融機関を選ぶ
手数料が安く、商品ラインナップが充実しているネット証券がおすすめです。SBI証券やマネックス証券は口座管理手数料が最安クラスです。
2. 加入申込書を取り寄せる
Web上で必要事項を入力すると、申込書が郵送されてきます。会社員の場合は「事業主の証明書」を勤務先に書いてもらう必要があります。これが少し面倒です。
3. 書類を返送して審査を待つ
審査には1〜2ヶ月かかります。口座が開設されたら、掛金額と運用商品を設定して積立開始です。
始めるまでに時間がかかるから、「やろう」と思ったら早めに動くのがいいです。口座開設の手続き中にじっくり運用商品を選べばいいし、掛金額はあとから変更もできます。